「TERIYAKI BOYZ」の14曲目が遅い理由

いよいよ本日ドロップされたTERIYAKI BOYZのファーストアルバム「BEEF or CHICKEN」、さてその14曲目のKAMIKAZE 108(Swisha House Remix)は、テープが伸びちゃったの?ってくらいBPMが遅い。





この曲はスウィシャ・ハウス総帥のマイケル・ワッツにより、ターンテーブルのピッチを必要以上に遅くし、さらにバイナル二枚使いでチョップをドンドンとかぶせ、 これらによって、まったく原曲とは次元の異なったグルーヴをつくりあげる「スクリュー&チョップド」という手法を用いてリミックスされている。

「スクリュー&チョップド」を生み出したのはH-Townのカリスマ的存在「DJ Screw」でどうやらコデイン(催眠幻覚効果アリ)配合の咳止めシロップ服用で、できあがったスタイルらしい。これが彼の専売特許となり、自分のスタジオから南部を中心にカルトヒット。 彼の周りには地元のボタニー・ボーイズ、ESG、LIL KEKE、FAT PAT、BIG MOE、BIG POKEY、Z-RO、LIL FLIP などといったテキサスのラッパーの多くが集まり、いわゆる「THE SCREWED UP CLICK」を形成した。 どうやらDJSCREWは重い雰囲気のメロディとスカスカのビートの原曲を好んだようで、 この影響はテキサスを超えて他の南部の諸地方に飛び火。3−6マフィアが初のプラチナヒットを飛ばした、 "SIPPIN SOME SYRUP"はシロップという言葉はもとより、トラックのピッチダウンに至るまで、 SCREWの影響を受けており、SCREWの偉大さがわかる。無念にも2000年11月16日、コデイン(催眠幻覚効果アリ)配合の咳止めシロップの服用過多で永眠している。ヒットの裏の代償は大きかった。

曲は遅いが感覚は早い「TERIYAKI BOYZ」の14曲目でした。
http://www.neowing.co.jp/music/essentials/teriyaki_boyz/